Month: August 2019
ダニが媒介する感染症に注意

ダニは基本的に動物の血液を吸うことで生活していますが、その中にはウイルスや細菌などを保有しているダニがいます。 こうしたウイルスを保有しているダニに刺されてしまうと感染症になる場合があり、国内では日本紅斑熱や重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、ツツガムシ病などの感染症が有名です。 こうした感染症を媒介するダニは、主に森林や草地などの屋外に生息するマダニ類やツツガムシ類に多く、レジャーなどで生息場所に立ち入る場合には注意が必要です。 日本紅斑熱は、日本紅斑熱リケッチアという病原体を持っている野外のマダニに刺されることで感染し、刺されてから2~8日後に高熱と発しんが発症し、重症の場合は死に至ることもあります。 真冬を除いて一年中感染する危険があり、全国で毎年100人以上の感染が報告されています。 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は2009年に中国で初めて確認され、2011年に原因が特定された新しいウイルス感染症で、SFTSウイルスを保有するマダニに刺されることで感染します。 刺されてから2日~2週間後に発熱、倦怠感、消化器症状などが発症し、血液を固める血小板と白血球が減少して最悪の場合死に至ることもあります。 今のところワクチンや治療薬がなく致死率が高いという特徴があり、2013年は西日本で40人の感染が報告され、そのうちの13人が亡くなっています。 ツツガムシ病は、その名の通りダニの一種であるツツガムシの幼虫に刺されることで感染する病気で、刺されてから1~2週間後に高熱と発しんが発症し、重症化すると死に至ることもあります。 全国で毎年300~400人感染が報告されており、春と秋が感染のピークです。 ダニは小さく見つけにくいため、草むらなどの生息場所に入る際は長袖と長ズボンを着用し、長時間直接地面に寝転んだり、座ったりするのは控えるようにしましょう。

2019年08月24日
国立感染症研究所とは

国立感染症研究所は、厚生省(現厚生労働省)によって1947年(昭和22年)に設立された附属試験研究機関で、もともとは国立予防衛生研究所という施設名でした。 第二次世界大戦後の日本は衛生状況が非常に悪く、結核や赤痢、日本脳炎などの感染症が蔓延していました。 そのため、感染症の研究を早急に発展させ、抗生物質やワクチン等の開発とそれらの品質管理を指導する機関としてこの施設が設立されました。 現在は東京都新宿区にある戸山庁舎、東京都武蔵村山市にある村山庁舎、東京都東村山市にあるハンセン病研究センターの3つの施設があります。 設立当初は東京大学附属伝染病研究所(現東京大学 医科学研究所)の庁舎内に設置されていましたが、その後1955年(昭和30年)に品川区上大崎の旧海軍大学校の跡地(品川庁舎)に移転しました。 1958年(昭和33年)にはポリオ大流行に対処するため新しい施設が緊急に必要となり、1961年(昭和36年)武蔵村山市に村山分室(現村山庁舎)が新設されます。 1992年(平成4年)には品川庁舎が現在の新宿区戸山(戸山庁舎)に移転し、1997年(平成9年)の1月には国立多摩研究所がハンセン病研究センターとして国立予防衛生研究所の支所になりました。 同年4月に研究所が設置された目的をより鮮明にするため、名称を国立感染症研究所に変更して今の形になりました。 危険度の高い最先端の研究を行うことができ、中でも村山庁舎は細菌やウイルスなどの微生物と病原体を取り扱う実験室の格付けで最も高い、バイオセーフティーレベル4の研究を行うことが認められた国内でも2つしかない施設の1つです。 しかし、地元自治体や住民の反対の声が大きいため、どちらの施設もバイオセーフティーレベル3までの研究しか行うことができないのが現状です。

2019年08月09日